会長挨拶
第46回日本呼吸療法医学会学術集会
会長 中根 正樹
山形大学医学部附属病院 救急部 高度集中治療センター
第46回学術集会の開催まで残すところあと1か月となりました。本学術集会では、代議員の先生方や委員会からのご提案を受けてテーマと演者が推薦され、座長の先生方のご協力をいただき、12個のシンポジウムと15個のパネルディスカッションという魅力的な特別企画を構成いたしました。また、近藤前会長のご協力により、第45回からの継続として8個の学会共同企画を実現することができました。
特別講演では、ナスカの地上絵の研究で世界的に知られる山形大学の坂井正人教授にご講演を依頼、今回三度目のお願いでようやく実現することができました。さらに、国内外から著名な先生方を招請し参加者の心に響くご講演を行っていただきます。教育講演については、現地開催の15講演を含め合計26講演を予定しており、そのうち24講演をオンデマンドで配信する予定です。
今回の学術集会のテーマである『標す(しるす)』は、第31回学術集会が天童で開催されてから15年が経つことを記念して、その軌跡を辿りながら最新の呼吸療法および今後の方向性を示すという私の深い想いから設定いたしました。
『標す』には、①印を付ける、②形跡を残す、③前兆を示す、などの意味があり、単なる「示す」や「記す」に留まらない複数の意味合いがあります。呼吸療法における指標(インデックス)、目標(ゴール)、グラフの座標(コーディネート)、道路や海路における標識(サイン・インディケーター)、商品の識別名称である商標(トレードマーク)、門標、墓標、旗標、標札、研究に欠かせない標本(スペシメン・サンプル)、標準(スタンダード)、標高や標的(ターゲット)など、多岐にわたる意味を持っています。このように、『標す』は医学や医療に深く関わる言葉であり、その多義性が現在の医学の複雑さをも示しているのではないかと感じてます。
本学術集会においては、2日間という短い会期の中でこの『標す』のテーマを凝縮し、皆様と共に議論し、その成果を学会機関誌「呼吸療法」に掲載する形で世に残すことを目標としております。
最後になりますが、山形には美味しい食べ物がたくさんあり、参加者の皆様の舌も胃袋も心も満たしてくれることと思います。実り多き学術集会となりますよう、参加者の皆様のご支援とご協力をお願い申し上げます。それでは、15年ぶりの天童での呼吸療法医学会をどうぞお楽しみください。
2024年5月28日
この度、2024年6月28日(金)から29日(土)の2日間、天童市において『第 46回日本呼吸療法医学会学術集会』を開催する運びとなりました。山形が全国に誇るさくらんぼの収穫期のどまんなかであり、他にも多種多様なおいしいものがあることから、皆様に是非“おいしい山形”を堪能していただきたく、この時期に決めさせていただきました。
ご記憶の方もいらっしゃると存じますが、2009年には第31回学術集会が同じく天童市で開催されました。その際にも、多くの企業や団体の方々にご協力を賜り、医学と医療の発展に寄与していただきました。改めまして心より感謝申し上げます。あれから15年、本学会の会員は呼吸療法に関わる医師や看護師だけでなく、臨床工学技士、理学療法士、薬剤師、栄養士と多職種に拡大され、新型インフルエンザ感染症や多くの人命を奪ったCOVID-19などの新興再興感染症による危機的状況に対峙し、呼吸管理・呼吸療法の重要性は更に注目されているところであります。そこで、この15年の本学会の軌跡を辿りながら新たな目標を設定し、次の15年に向けての方向性を指し示す、そのような時期に来ていると考え、学術集会のテーマを「標す」といたしました。
このような趣旨のもと天童で開催されます第46回学術集会に、是非多くの皆様にご参加いただけることを願っております。
2023年4月吉日